Column
vol.29 2022.12.23 UP
もう暖房には頼らない!冬の過ごし方を見直して体も家計も暖かく♡
日に日に寒さが増してくるこの季節。
つい暖房のスイッチをONにしたくなりますが、その一方でわたしたちの頭を悩ませる「電気代」。
今回は、暖房器具に頼らない効率的な温まり方や、おうちの工夫をご紹介します。
- 目 次
- 1.電気代が値上がりした背景
- 2.部屋が寒いと感じる要因
- 3.部屋を暖かくする工夫
- 4.体を効率よく温めるコツ
1. 電気代が値上がりした背景
2021年9月以降、全国的な電気料金の高騰が続き、家計にも大きな影響を与えています。
2022年の平均的な家庭の電気料金の値上げ幅は、約1〜3割。
その背景には、以下のことが考えられます。
液化天然ガスの輸入価格高騰
日本の主な発電方法である火力発電に必要な燃料「液化天然ガス(LNG)」が、近年値上がりを続けています。
その要因として、新型コロナウイルスの流行による経済の停滞、世界情勢の変化、長引く円安などが深く関係しています。
実は、日本で使用されているLNGの大半は、海外からの輸入。
タンカーの輸送コストもかかるため、他諸外国と比べて値上がり率が高くなる傾向にあります。
また、石炭や石油に比べて二酸化炭素(CO2)や酸性雨・大気汚染の原因となる窒素酸化物(NOx)の排出が少なく、
環境にやさしいエネルギーとして世界から注目されている液化天然ガス(LNG)。(※)
地球温暖化防止策や脱炭素社会実現のため、各国でも石炭からLNGへ移行する傾向が見られています。
この先もしばらくは燃料の価格高騰が続くとの予想も出ているほど。「節約」は、暮らしのメインテーマと言えそうですね。
(※)LNGは、二酸化炭素(CO2)の排出が石炭に比べて少ないとはいえ、少量は排出されるエネルギーです。
将来的には、LNGも脱炭素の規制対象になりうる可能性も考えられるため、増産を積極的に行っていない背景もあります。
2. 部屋が寒いと感じる要因
家は、屋根も壁も床もあり、冬の寒い外気とは無縁の空間。
それでもなぜ部屋の中が寒いと感じてしまうのでしょうか。
大きな理由は2つ。
①窓や壁の隙間から、室内の暖気が外に逃げていく
窓やドアを閉めていても、ほんの小さな隙間が空いていることがあります。
熱は、熱い方から冷たい方へ移動する性質を持っているため、この小さな隙間を通って室内の暖かい空気が外へ逃げていってしまいます。
また、暖かい空気は部屋の上の方にたまるため、床よりも窓から逃げていきやすいのです。
②体から熱が逃げていく/熱を作る力が弱い
いくら部屋を暖かくしていても、体から熱が逃げていけば「寒い」と感じてしまいます。
体内で作られた熱は、常に外へと放出されています。
汗をかいた後しばらくすると冷えを感じたり、フローリング に素足で立っているとそれまで温かかった足がひんやりしてくるのは、体内の熱が外へ逃げていった証拠です。
また、熱を作る力が弱い方は、寒さを感じやすい傾向にあります。筋肉の量が少ない方や熱を守る役割のある脂肪の量が少ない方に多くみられます。
次の項目からは、電気代を節約しながらお部屋を暖かくする工夫と、体を効率よく温めるコツをご紹介していきます。
3. 部屋を暖かくする工夫
部屋を暖かくする工夫を、ポイントごとにみていきましょう。
【窓】
・カーテンの見直し
おすすめなのは、生地の厚いカーテンです。
防音対策や遮光、遮像など、あらゆる機能をもったカーテンがありますが、冷え対策には「保温タイプ」「遮熱・断熱タイプ」などが効果的です。
さらに、窓からの冷気を入れないためには「カーテンの長さ」にも注目を。
窓を覆い切れていない短いカーテンでは、裾の方から冷気が入り込んでしまいます。床に着き、裾が少したるむくらいがちょうど良いとされています。
(その分、ホコリがたまりやすくなるので、お掃除はこまめに行いましょう。)
・スキマを埋める
窓のサッシから冷気が入ってくる場合には、市販の隙間テープを活用しましょう。
伸縮性のあるスポンジがついたテープで、簡単に取り付けることができます。
サッシについているゴムパッキンが経年劣化してスキマができている場合があるので、長く住まわれている方は一度チェックしてみると良いかもしれません。
・断熱シートを貼る
ホームセンターなどで売られている断熱シートも、部屋の暖かさをキープするのにおすすめのアイテムです。
断熱シートを貼ることで窓に空気の層ができ、温度差を伝えにくくしてくれるので、冬だけでなく夏場にも活躍してくれます。
【床】
・カーペット、ラグを敷く
冷たい空気は下に停滞するため、「上半身は温かいのに、足元だけ冷たい」と感じることも多いはず。
カーテンと同様に、厚手のカーペットやラグを1枚敷くだけで、床との間に空気の層ができるため、冷え対策につながります。
カーペットとフローリングの間に、断熱シートやコルクマットなどを挟むと、さらに効果的です。
4. 体を効率よく温めるコツ
体を温めるには、体の内側・外側の両方からケアしてあげることが大切です。
温かい食事を摂るようにしたり、筋肉をつけるために運動を取り入れたりすることも大事ですが、おうちの中で意識したいのは「頭寒足熱(ずかんそくねつ)」です。
読んで字のごとく、頭は涼しくして足は温める。という意味で、東洋医学でも用いられている手法です。
上半身は熱をためやすく、下半身は熱が逃げやすいので、上下の温度差をできるだけ小さくしてあげることがポイント。
腰から下を重点的に温めるために、腰巻きを活用したり、靴下を2枚重ねで履いてみるのも良いでしょう。
腰には、体の熱を生み出す源となる重要なツボ「命門(めいもん)」があります。
ここにカイロを当てて温めると、全身がじんわりとあたたかく感じられますよ。
室内では、冬用のスリッパ・ルームシューズを活用するのも効果的。
冬用のスリッパ・ルームシューズは、もこもこ素材や肌触りの良いものなど種類も豊富。
足首まであるブーツタイプは、冷えやすい足全体を包み込んでくれます。
いかがでしたか。おうちの中を見直したり、体が温まるポイントを押さえれば、暖房器具に頼りすぎずに寒さ対策ができますよ。
ただし無理は禁物。体調と相談しながら、適切な冷え対策を行っていきましょう。
参考サイト
クラシエ |
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