冷えずきんちゃん

Column

vol.47 2023.12.01 UP

中医学から見る「冷えのタイプ」とは

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いよいよ冬本番の寒さがやってきましたね。
手足が冷えてなかなか眠れない、下半身の冷えが気になる、ずっと体が冷えていて疲労感や倦怠感があるなど、冷え性さんの悩みも人それぞれ。
今回は中医学の観点から「冷えのタイプ」をご紹介。あなたはどのタイプに当てはまりますか?

1.中医学とは?

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中医学とは2000年以上の歴史を持つ、中国伝統医学のこと。
中医学は3つの要素、エネルギーの源である「気」、全身に栄養を供給する「血(けつ)」、体中を潤して滋養する「津液(水)」の全てがスムーズに流れていることが、体にとって良い状態であると考えられています。
冷えは「未病」と呼ばれ、病気になる前の症状とされています。重い冷え性や病気になる前に、早め早めの対策が肝心。

自分の「冷えのタイプ」を知り、より効果的な対策方法を見ていきましょう。

2.中医学から見る冷えのタイプ

中医学の、気・血(けつ)・津液(水)の考え方で分類された、冷えのタイプは以下の5つです。

①エネルギー不足の「陽虚(ようきょ)」タイプ
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陽虚(ようきょ)タイプの冷えは、エネルギー(気)の不足によるもの。
高齢者や虚弱体質の人、慢性疾患を持つ人、体力が落ちている人などによく見られます。内臓がうまく機能しておらず、体を温めることができなくなっています。手足の強い冷えや、腰痛、頻尿などの症状が特徴です。

症状:
手足の冷え、お腹や下半身の冷え、腰痛、下痢、むくみ、頻尿、疲労感など。

対策:
生ものや冷たいものは控え、温かい食事を心がけましょう。温性の食事や辛味のある食材がおすすめです(山椒の実、ニラ、えび、ネギ、八角、牛肉、サケ、シナモン、生姜、唐辛子、らっきょうなど)。
また、首、手首、足首を冷やさない服装選びも大切です。

②血が不足している「血虚(けっきょ)」タイプ
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血虚(けっきょ)タイプは、血が不足していることにより全身に栄養が行き渡らなくなっています。
女性に多く、貧血や肌荒れ、不眠などの症状も。生理の時期は特に体が冷えないようにしましょう。

症状:
手足が冷える、顔色が悪い、経血量が少ない、めまい、不眠、脱毛など。

対策:
血を増やす食事を意識し、胃腸に負担がかからないようにしましょう。
陽虚タイプであげた食材の他に、血液をつくる豚レバー、卵、ほうれん草、血を増やす働きのある黒ゴマ、プルーンなどの食材を積極的に摂るようにしましょう。

③ストレスの多い「気滞(きたい)」タイプ
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気滞(きたい)タイプは、気の巡りが滞っている状態です。
ストレスや緊張状態が続くと、体を調整する機能である “自律神経” が乱れ、それにより血や水の巡りなども悪くなります。イライラや不安を感じることもあるので、ゆったりとした時間を過ごすことが大切です。

症状:
手足など末端の冷え、冷えのぼせ、肩こり、イライラ、不安感など。

対策:
ゆっくりとリラックスできる時間や空間を作りましょう。ストレッチなどで体を緩めるのも効果的です。

④血行不良による「瘀血(おけつ)」タイプ
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瘀血(おけつ)タイプは血の巡りが滞り、全身に温かい血が行き渡らなくなっている状態です。
上半身はほてるけれど、下半身や末端は冷えるなど、部位によって差が生まれます。皮膚のトラブルや肩こり、頭痛なども起こりやすくなります。

症状:
下半身の冷え、末端の冷え、冷えのぼせ、月経痛、静脈瘤、肌荒れ、肩こり、頭痛など。

対策:
座りっぱなし、立ちっぱなしなど同じ姿勢を長時間続けないようにしましょう。適度に休憩をとったり、ストレッチや軽い運動もおすすめ。十分な睡眠をとり、青魚や色の濃い野菜を摂るようにしましょう。

⑤水分を溜め込む「痰湿(たんしつ)」タイプ
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痰湿(たんしつ)タイプは、体に余分な水分を溜め込んでいます。
余分な水や老廃物が体の中に停滞していると、足などにむくみが出やすくなります。むくみがひどくなるとだるさや痛みが出ることも。むくみは冷えにつながるので、余分な水分は取り除き、巡りの良い体を作ることが大切です。

症状:
下半身・お腹・腰回りの冷え、むくみ、頻尿、下痢など。

対策:
水分の摂りすぎに気をつけましょう。脂っこいものや甘いものはほどほどに。食物繊維が豊富な海藻類やキノコ、根菜などの食材を取り入れてみましょう。
汗をかくくらいの運動もおすすめですが、続けるのが難しいという方は、湯船にしっかり浸かったり、サウナなどを利用することも◯。体の余分な水分を取り除いていきましょう。

あなたはどのタイプに当てはまりましたか?
タイプに合ったセルフケアを取り入れたり、日頃からストレッチやマッサージ、適度な運動で血行を促しましょう。また、お風呂はシャワーだけでなく、湯船に浸かることがおすすめです。血行がよくなり、リラックス効果も期待できます。
冷えの症状が良くならない、症状が重くて辛いという場合には我慢せずに専門家に相談しましょう。

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